富士通テン・イクリプスの9型大画面ナビゲーション、『AVN-ZX02i』。今回試用したデモカーはホンダの軽自動車『N BOX』だ。インプレッション後編では、スマートフォン連携やニンテンドーDS連携、そしてAV性能面について、使い勝手を報告したい。
軽自動車にもってこいの画像補正機能
9型モニターのビッグな画面サイズはAVソース再生でも迫力たっぷりだ。DVDや地デジを高画質で再生するために、モニターの表現性能を最大限に引き出す最先端プロセッサ(「Vivid View Processor 3」)を搭載。モニターには、直射日光下でも画面の見にくさを解消する「E-isac Display」を組み込み、どんな条件下でも9型大画面の迫力を存分に楽しめるようになっている。軽自動車は全幅が1475mmに制限される関係で普通車と比較して斜光が差し込みやすい。その点、本機は周囲の環境に応じて最適な表示をおこなうので、ナビ地図画面でもテレビ画面でも見にくさを感じる場面はなかった。
AVN-ZX02iはスマホとの連携でも一歩先を行く。iPhoneやアンドロイド端末に「NaviCon」をインストールしておけば、アプリによって見つけた目的地をそのままAVN-ZX02i上で反映可能。対応アプリも多岐にわたっており、たとえば温泉をテーマにしたアプリ、お城巡りをテーマにしたアプリなど、それぞれに興味あるアプリを使って目的地を効率よく探して反映できるというわけだ。
さらに、iPhone用アプリ「どこCar」をインストールすれば、駐車した場所や登録された場所へ戻るのにiPhoneが矢印を出して案内してくれる。目印のない広い駐車場に止めたときはかなり役立つこと間違いない。
また、AVN-ZX02iには家族みんなが同時に楽しめる画期的な機能が搭載された。それがナビとゲーム機である「ニンテンドーDS」と連携して実現する『クルマでDS』である。AVN-ZX02iとはBluetoothによるワイヤレス接続され、DS側で操作した目的地設定がそのままAVN-ZX02iに展開される。出掛けた先にちなんだクイズも出題され、正解に応じて点数化された結果からみんなで盛り上がれるってわけ。こうした対応はカーナビ初のことだ。
◆対応車種は業界最多の22車種に
昨今は軽自動車の高品質化が進み、ファーストカーとして十分通用するモデルが増えてきた。カーナビも妥協せずに機能が充実したモデルを奢りたい、というユーザーも増えてきたはずだ。2013年の上半期の軽自動車販売で1位(全国軽自動車協会連合会の統計による)となったN BOXシリーズへの対応を果たすことで、AVN-ZX02iは業界最多となる22車種に装着が可能となったことは関心を持つ人も多いのではないだろうか。
インプレ前編では、9型画面に見慣れてしまうと、これより小さい画面サイズには戻れないと述べたが、それは「見やすさ」「操作しやすさ」を徹底追求したイクリプスのAVNだから、ということもあるだろう。この夏の後楽シーズン、インテリアとのマッチングにも優れた大画面ナビで、ロングドライブへ出かけてみるのも面白い。