【スバル BRZ 試乗】気骨あるMTのさらなる進化・発展に期待…島崎七生人

試乗記 国産車
スバル BRZ
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これ『BRZ』ですね、カッコいいなあ……。試乗中の数日間に、幾度となくそう話しかけられた。登場から1年余、いまだ高い関心をもつユーザーが多いことを実感する瞬間だ。

試乗車は十分な走行距離を重ねた個体で、思うところあり、あえて「S」グレードの6速MT車を借り出してみた。

すると実感したのは「ストイックなクルマだ」ということ。この表現は2つの意味から。ひとつは、相変わらず往年のクルマ好きをも黙らせる気骨ある操作性、走りっぷりだということ。『86』よりほんの僅かハードな乗り味とコーナリング性能の奥深さ、回すほどにビンビンと反応する2リットル水平対向DOHCエンジン。これらはピュアにクルマを走らせている実感を味わいたいユーザーの琴線に響くだろう。

もうひとつ、最新のスポーツカーが立ち位置だとすれば、より洗練されたタッチ、コンセプトを盛り込んでもいいのでは?と思える点だ。とくにシフト、クラッチフィールは非常に機械的な手応えだが、ともすれば操作感に粗さも感じる。根拠は先に加わったメルセデス・ベンツSLKのMT車の極上なシフト&クラッチの操作感で、肉体的にも感覚的にも負担なく、誰にでもスムースで最適な操作を実現している。ニュートラル時にブレーキを“掴んで”いてくれたりもする。そうした現代的な配慮とセンスで仕上げられたMT車は決して軟弱ではなく、上級車からの移行組にも馴染みやすいはず。むしろ間口を広げ(車種、価格の話は別にして)、多くのユーザーが気持ちよく積極的にスポーツドライビングを堪能できるに違いない、と思える。

BRZの量産車としては異次元の低さのドライビングポジションは、乗り込むと心ときめかせてくれるもの(個人的にはヒール段差がもっと小さくてもいい)。いい感じの進化、展開にも期待したい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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