特徴的な力強いCピラー、クリーンなフロントマスク…。一見すると代り映えしない? とさえ思わせられる新型『ゴルフ』。しかし“中身”と走りは劇的に進化。その仕上がりぶりに「なるほど」と頷かされる。試乗車は上級グレードの「ハイライン」。1.4リットルTSIエンジン(140ps/25.5kg-m、JC08モード燃費=19.9km/リットル)を搭載。各種機能、装備も充実するグレード。走らせて感じるのは、快適性のレベルが格段に高められた点。とくに乗り味や走行中の騒音、微振動の小ささと穏やかな乗り心地は、先代以上に磨きがかかり、もはや上級サルーンのよう。完全にクラスレスだ。室内空間も広がった。とくに後席に座ると、室内幅(+50mm)とホイールベース(+60mm)の拡大が理屈抜きで実感できる。トランクも余裕が増し、床板をハネ上げて一時固定できるストッパーや、レジ袋がかけやすい形状のフックも備える。気筒休止(ACT)やコースティング、ブレーキ回生も体感は不可能なほど、あっさりと実行される。「ドライビングプロファイル」は、ついにゴルフにも! という感じだが、4つの走行モードを選択するもので、1台で何グレードものゴルフに乗り換えたかのように、明確に走りのパターンが切り替えられ、実感できる。「エコモード」時でも動力性能に不満は感じない。「ハイライン」の艶やかなダッシュパネルはゴルフにはいかがかな? とは思った。それとハッチバック車だけに、リバース時にリヤビューカメラが起き上がる際のアクチュエーターの作動音とタイミングが(室内が静かなのでなおさら)少し気になった。が、撮影車のようなオプションの本革シートを選べば、実用も快適性も盤石な乗用車なのでは…と思わせられた。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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