インディ500決勝、単独スピンから見事生還した佐藤琢磨だったが、レースは大会記録の133周連続グリーンという不利な展開となり、13位に終わった。レースを終えた琢磨は、悔しさをにじませながら次のようなコメントを残した。
「スタートは上手くいかなかったですね。ギヤリングの厳しいスピードで、2速キープの方が良かったのかも知れませんが、3速にしたら加速が鈍ってしまいました。順位をいくつか落とすことになりましたが、結構ダウンフォースもつけて行ったこともあって、ひとつずつポジションを挽回できました。序盤はわりと良い感じでした。
それほどグリップ感は高くはなかったのですが、車としての動きは悪くなかったです。でも、トップ10に入ると前の集団のペースは速かったですね。その中だと結果的にダウンフォースが少ない状態になって、車が滑り、ナーバスな動きをしていました。
カルロス(ムニョス)の後ろを走っているときに彼のラインが振れて、そのあおりを食う形でリヤのダウンフォースが抜けてスピンしました。前の前の車からのチェーン・リアクションかも知れないのですが。
無傷で戻って来れて良かったのですが、最後尾まで落ちてもう一度走らなければいけなかったのはタフでしたね。そのあと車のバランスを良い状態にするのに2スティントくらい掛かってしまいました。
今日はタイヤに負荷が掛かって、ブリスター(タイヤが過熱して気泡ができること)を何度か出してしまいました。そうなるとペースを落とさざるを得なくなり、一度は緊急ピットインをせざるを得なくなりました。
徐々に徐々にポジションを上げられたけれども、非常にスピードが拮抗しているから中段まで戻るのが精一杯でしたね。もうちょっとコーションが入ってくれたら、リスタートで順位を上げたり、タイヤもフレッシュな状態でプッシュ出来たら良かったのですが。今日はT.K(トニー・カナーン).とジミー(バッサー)におめでとうを言いたいです。」