インディ500決勝前の最後のプラクティス<カーブデー>を翌日に控え、ポイント・リーダー・佐藤琢磨がその胸中を語った。
「この数日間、いくつかのイベントはありましたが、リラックスする時間を作れました。日曜日にパック(集団)の中で走ってみて、6日間のプラクティスでは出なかった問題が発生しました。車がそこでどういう動きをしたのか…。それらはすべてエンジニアに伝えてあります」
「彼らはこの数日間、その宿題に向き合っていました。途中、ドン・ハリデイ(エンジニア)とも電話で離したり、今日もデータで確認しました。その対策が正しいのかは明日の最終プラクティスで分かります。合っていればそのまま行けますし、合っていなければもう一度見直さないといけません。最大の課題はこのトラフィックの中でのバランスです」
「A.J.フォイトというカリスマの下、コミュニケーションが完成されているこのチームに入ってもドンは上手く馴染んでいます。博士のような人なのに人としてとても柔軟性が高い」
「ラリー・フォイトはドンと僕を信頼して、僕らのやり方を認めてくれています。
その信頼関係がリザルトに繋がり、結果として気持ちに余裕が生まれてきています。自分が自然体で居られるチームですね」
「僕はスロースタ―ターなんです。去年の失敗で今は周りがとても良く見えています。また頑張りすぎる必要のない環境に今は居るといえるでしょう。去年の自分がこのパッケージの車に乗っても同じように速くは走れるでしょうが、今年のようなレースは出来なかったと思います。去年は良い時と悪い時の車の差が激しすぎて、悪い時はそれを何とかしようとチームで冒険をした結果、さらに悪い方向へ行ってしまうこともありました。フラストレーションは溜まり、それを腕でカバーしようとしていた部分はあったと思います。今年は最速ではないけれど、これまでの4レースすべてで速いスピードを見せることが出来ています」
「オーバル用のシートが間に合わず、(着座位置の)高いロードコース用のシートしかないので、ヘルメットが風で揺さぶられるのが気になっています。500マイルも走ったら疲れちゃうんじゃないかな?と。フロント・スクリーンを高くするとか対策を考えています。(パックで走る)決勝ですから、それがスピードに影響することはないでしょう」
「ロードレースと比べてインディ500は腕が上がるとか首が痛くなるとか部分的に辛いということはないですが、メンタルはすごく疲れます。目も疲れますね。レース終盤ではぼやけてきますから。タイヤが何かを拾ってバイブレーションが出ると体中がやられることもあります」
「明日のカーブデイはたくさん走りますよ。燃料をフルタンクにして出て行って、時間があればまた足して行きます」