2012年11月、マツダが販売を開始した新型『アテンザ』。3月3日現在での受注台数は当初の予定を大幅に上回る1万2000台超と、上々の立ち上がりを見せている。
同社の新世代技術"SKYACTIV TECHNOLOGY"をフルに採用した新世界戦略車である新型アテンザはどのようにして生まれたのか。それを明らかにするため、アテンザ開発陣に「10の質問」を行った。
Q.9 SKYACTIV-DでHVに対抗するつもりか?
A. 現時点でSKYACTIV-Dがハイブリッドに負けているとは思っていないが、マツダも"マツダらしい"ハイブリッドを投入する。
SKYACTIV-DとSKYACTIV-drive、さらにはi-stopとi-ELOOPを組み合わせた新しいアテンザは、走りと省燃費を両立させる ことに成功した。しかし、現在のトレンドはハイブリッド(HV)およびプラグインハイブリッド(PHV)であることは明白だ。果たしてマツダは SKYACTIV-Dでハイブリッドに真っ向勝負を挑んでいくつもりなのだろうか。開発主査の梶山浩氏に聞いた。
◆現時点でSKYACTIV-Dがハイブリッドに負けているとは思っていない。
「現時点でSKYACTIV-Dが、ハイブリッドに負けているとは思っていません。都市部の中心で渋滞ばかりを走っているならハイブリッドの方が燃費はいいですが、高速道路や郊外の市街地などならばSKYACTIV-D強みが出ます」
ハイブリッドカーについて、梶山氏にはこんな経験があると言う。
「ハイブリッドカーのタイヤ交換を車載のジャッキで行なってみたとき涙が出そうでした。『何だ、この重さは!』と思いましたよ。ハイブリッドの車重では、とてもアテンザのSKYACTIV-Dのような走りはできないと感じました」
◆"マツダらしいハイブリッド"、2013年末に発表か
毎年ニューモデルを投入すると宣言していることから、2013年内にはハイブリッドをバリエーションに含めた新型車の登場を予想していいのではないだろうか。SKYACTIVのロードマップには、ハイブリッドモデルの追加も描かれていたが、このハイブリッドカーの開発については、商品企画担当の執行役員である藤原清志氏にも話を聞いた。
「当初から宣言しているように、マツダでもハイブリッドカーを発売します。まだ詳しい内容は語れませんが、トヨタさんから技術供与を受けるものの、マツダらしいハイブリッドカーに仕上げる計画です。今年の後半までには何らかの発表をしますので、楽しみにしていて下さい」
もっとも多くの種類のパワートレーンの経験を持つマツダが、そのメリットデメリットを理解した上で繰り出す新型車。これからもマツダの動向に目が離せないようだ。