【スズキ アルトエコ 試乗】リッター33kmは執念の賜物…島崎七生人

試乗記 国産車
スズキ・アルトエコ
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リッターあたり33kmの低燃費!まさに執念の数字。その達成の裏には、カタログには書かれていないような、これでもか…の改良の手が入っているのだった。

ルーフのビードを変更して剛性を確保した上でパネルを薄肉化、リヤバンパー(素材自体の肉薄化)の形状変更、後輪前のスパッツ(整流板)の追加で空力を改善…などは目でわかる部分。ほかにドアガラス、内装ではシート骨格やトリム材なども見直し、軽量化。ラジエターも厚みを16mmから11.5mmに薄型化し、冷却水込みで約400g軽量化。車両トータルで、2011年11月登場の初期型に対し30kgも軽量化させたのだそうだ。

今回は短時間の試乗だが、一般道で可能なだけ一定に速度を保ち走行、その際に撮影したのが写真のような平均燃費の数値。もちろん条件が整えばさらに向上するはずで、燃費に関しては発表の数字どおり一層磨きがかかった感触だ。

他方で走りの印象は、直前のモデルと較べても違いがやや大きい。駆動系、足回りの改良で、パワー感などはストレスない印象。走りっぷりも、よくいえば軽快。だが軽量化の内容を聞くにつけ、走行中の音、振動の伝わり方が少しラフになったし、乗り味も、これまでのほうがしっとり、どっしりとしていた。あとから訊くと、今回、タイヤの指定空気圧も高めたそうで、その影響は少なからずあることを実感した。「アルト・エコらしさの表現のために」(スズキ)というメーターや空調ダイヤルの“ブルー”も、さり気なさの点で、このくらいで留めておいてほしい気がする。 

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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