BMWで「F」のコードネームの最初のモデルになった現行『7シリーズ』(F01型、LはF02型)。9月に改良を受け、上下がカットされた新形状の“エンジェル・リング”のLEDヘッドライトの採用、バンパーまわりのデザイン変更などフェイスリフトを実施。全車に8速ATを組み合わせた、新世代の6気筒またはV8ツインパワーターボエンジン(ほかにV12も)を搭載するなどした。
『ActiveHybrid7』は3リットルの直6ツインパワーターボ(320ps/45.9kg-m)を搭載。これに54ps/21.4kg-mの電気モーターを加え、システムトータルで354ps/51.0kg-mの性能を発揮するフルハイブリッドに。JC08モード燃費で14.2km/リットルと、プレミアムラグジュアリーセダンセグメントナンバー1という低燃費も打ち出す。
試乗車は標準ホイールベースの稀少な仕様「M Sport」。20インチタイヤ&専用ホイールはじめ、7シリーズとしては若々しいルックスだった。
モーター走行での発進は、ごくスムース。その後のエンジン始動も、メーターで確認しなければわからないほど。そしてひとたび走らせれば、とにかく穏やかなまま速い。エンジン+モーターの領域の走りは、力強いのひとこと。BMW各車に設定される、車両特性を一括で切り替え可能な「ドライビング・パフォーマンス・コントロール」は、このクルマでも非常に有効で、もっともスポーティなモードなら、山道をまるで5シリーズのような切れ味で駆け抜けることもできる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年より『GOLD CARトップ・ニューカー速報』の取材/執筆を皮切りにフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。