フランスの自動車大手、ルノーと英国のスポーツカーメーカー、ケータハムは11月5日、スポーツカーを共同開発することで提携を結ぶと発表した。
今回の提携は、ルノー傘下の名門ブランド、「アルピーヌ」の復活と密接な関係がある。アルピーヌ社は1956年、フランスに設立。当初はルノー車を改造してモータースポーツに参戦していた。1962年に発表したアルピーヌ『A110』がラリーで大活躍し、アルピーヌの名は一躍有名に。1973年にはルノーの傘下に入り、現在は「ルノースポール」各車を生産している。
現在、ブランドとしてのアルピーヌは休止状態。しかし、ルノーは2012年5月下旬、モナコでコンセプトカーのアルピーヌ『A110‐50』を初公開。名車、アルピーヌA110の復刻コンセプトカーで、ルノーのカルロス・タバレスCOOは、「アルピーヌブランドの復活を検討している」と明かしていた。
今回、ルノーとケータハムは、スポーツカーを共同開発することで提携。これが、アルピーヌ復活への足がかりとなる。ルノーは少量生産スポーツカーの開発・組み立てに関して豊富なノウハウを持つケータハムの力を借りて、アルピーヌの復活を目指す。
具体的には現在、ルノーの100%子会社であるアルピーヌルノー社の株式の50%を、ケータハムが取得。2013年1月、オートモビル・アルピーヌ・ケータハム社を設立する。そして、新型スポーツカーの開発を進め、フランス・ノルマンディのアルピーヌ・ディエップ工場で、車両を生産する計画だ。
ルノーのカルロス・ゴーン会長兼CEOは、「ケータハムとの革新的なパートナーシップが、我々の長年の想いを現実にする。それは、アルピーヌのDNAを備えたスポーツカーの創造だ」とコメントしている。