三菱自動車から2013年初めに発売されるプラグインハイブリッドモデル『アウトランダーPHEV』は、ツインモーター4WDシステムを採用している。
このシステムについて、同社開発本部副本部長の久米建夫氏は、「フロントとリアそれぞれに高出力の60kwのモーターを搭載したツインモーター4WDシステムです」と話す。これにより、「発進時のレスポンスの良さ、最大加速の持続など、モーターならではの加速感で、EVらしさを実現しました」
更にこの4WDシステムでは、「前後のモーターにより前後駆動力配分を、AYC(ブレーキ制御)で左右駆動力を配分し、旋回性能、トラクション性、走行安定性の向上を図っています。このシステムにはこれまでに培ってきた三菱自動車の4WD制御技術が継承されているのです」とした。
そして、「このプラグインハイブリッドシステムは電池の充電状態と走行状態に応じて、自動的に最適な運転モードが選択されますが、ドライバーが選択可能な2つのモードも設定をしています。これが三菱のプラグインハイブリッドシステムの特徴でもあるのです」と述べる。
ひとつめはバッテリーセーブモードである。「このモードは充電した電力をセーブすることが出来ます。ドライバーの意思に合わせて、ハイブリッドかEV走行かの選択が可能なのです」。
もうひとつはバッテリーチャージモードだ。「これは積極的に(エンジンを始動させ)発電し、電力を駆動バッテリーに充電するものです。走行中に発電し、目的地で外部給電のための電力として利用することも可能です」。
因みにこのシステムには、大容量リチウムイオン電池が搭載されているので、「充電された電力を走行以外にも活用できるように、最大1500WのAC100V電源コンセントを搭載しています。電池はフル充電で一般的な家庭での1日分の電力が供給可能で、エンジンによる発電を加えると約10日分の電力が供給可能です。これにより、非常用電源、あるいはキャンプでの調理、野外コンサートでの楽器用の電源など、多様な使い方が可能となります」と語った。