ホンダから発売された『N BOX+』は、様々なラゲッジレイアウトを可能にするとともに、通常の車いすが乗るように設計された。
「2014年には日本の人口の4人に1人が65歳以上になります。それを考えたときに、車いすが乗るというのは、特別な問題ではなく、一般的な課題になるでしょう」と語るのは、本田技術研究所四輪R&Dセンターデザイン開発室1スタジオ研究員の山口真生氏。そして、「日本の家族の未来像には、必ずそこに車いすがあるのではないかと思うのです。つまり、その人たちも一緒に楽しめないと、もうクルマではない。そういう提案がこのN BOX+なのです」と話す。
山口氏は、「このような説明をすると、とても多くの人たちが、実はうちも、という話になるのです。我々は人口統計図だけを見てやってきましたが、話をしているうちに、“わ、本当に日本ってリアルにこうなっているんだ”ということを感じました。やはり、福祉車両もちゃんと(通常モデルと)一緒に、本当に真剣に考えないと駄目だということなのです」と背景を説明した。
そして、「もう福祉車両は特別なものではないのです。“アルマス(ホンダ福祉車両の名称)”という言葉は捨てて、車いす兼用車といっており、時代の先端のクルマなんだと考えています」と述べ、「意識としては(N BOX+は)普通に使い倒す道具のクルマとして考えると、これが今後のスタンダードではないかと思います。これをベースに、これからもっと良くしていきます」と語った。