ホンダが24日から日本国内で販売を開始する新型大型バイク『NC700X』は、製造コストを削減するために海外製部品を4割採用している。なかでもフレームはインドで調達したスチールパイプをフィリピンで一部加工し、日本で最終的に仕上げているという。
NC700Xの開発に携わった本田技術研究所二輪開発センターの宮崎英敏主任研究員は「普通のスチールパイプをインドから調達して、途中フィリピンの日系メーカーで部分的なアッシーをして、最終的に熊本(製作所)の溶接ラインにもってきて日本品質でしっかり溶接している」と明かす。
フレームをスチール製にしたことについて宮崎氏は「アルミにすると鋳造や溶接技術が必要になってきて世界中どこでもは造れない。我々は最終的に世界中のどこでも造りたいという思いがあり、どこからでも調達できるパイプを選んだ」と語る。
フレームを始めとする海外製の部品は中国、インド、ベトナム、インドネシアなどの、いずれもホンダの日本基準の品質を満たすサプライヤーから調達している。
ただ宮崎氏によると、NC700Xは従来の750ccバイクに比べて30%コストを削減したが「グローバル調達だけでは下がらない。開発の実際のコストでみていくと約10%程度。残りの20%は(様々なモデルに流用できる)プラットフォーム構想であったり、機能集約など設計の工夫。また、開発、生産の仕方といったホンダでの新たな取り組みに対する努力と根性で達成した」という。