【マツダ CX-5 発表】クルマを意識しないでデザイン

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マツダCX-5
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マツダから新たに発売されたSUVの『CX-5』は“魂動(こどう)SOUL of MOTION”デザインを初めて全面採用した生産モデルである。

魂動デザインとは、動物や人間が動く一瞬の美しさからインスピレーションを受けてデザインしたもの、と話すのは、デザイン本部チーフデザイナーの中山雅さんだ。CX-5はそれを踏まえたうえで、クルマを意識しないでデザインしたという。

「クルマだと思うと、トレンドに影響されるデザインになりがちです。例えばCX-5は(ルーフの始点を動かさずに)Aピラー基部を後ろへ引いたデザインですが、この発想はなかなか出ない。トレンド的には前に出す方向でしょう」。つまり、Aピラーの付け根を後方へ引くことでルーフを高くしたのだ。

「クルマを高くすることを、デザイン側からも提案したのです。もともとの案はべたべたに低いクルマだったのですが、アメリカではすごく存在感が無いという調査結果と、実際に行ってフリーウェイを走るクルマを見て駄目だということが分かったのです」。パッケージの考え方も同様だったことから実現することができた。

しかし、クルマとして考えると、空気抵抗が大きいなどのデメリットが考えられ、この発想は生まれなかったという。つまり、「理想主義的にものが考えられるようになったのです」。

中山さんはこうもいう。「例えばタイヤだと思った瞬間に、タイヤの周りの処理が一定になってしまう。これを足だと思うと、タイヤが丁度膝から下で、フェンダーのあたりが太もも、その上のあたりが骨盤、というように見えてきて、ちょっと今までのSUVとは違うデザインになりそうだなと思ったのです」。

これまでのSUVに対しては、「どちらかというと、タフなフェンダーがあって、ストレートな造形が多かった。ドアの断面の抑揚などはSUVでやろうとは思わないでしょう。例えばそこが脇腹だとすると、脂肪が無い方がいいし、男が見ると、妙に色っぽく見えると思うのです」と笑う。

「このように、クルマではないと思ってデザインしたら、実はかなり良いクルマのデザインになった、と思います」

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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