レクサスから新型『GS』が発表される。日本のレクサスとしては初めてのモデルチェンジにあたるGSは、パッケージやデザインを大幅に見直し、ジャーマンブランドと同じ土俵に立てるセダンに仕立てなおされた。
「ユーザーとして最も獲得したいのは、『IS』からのアップグレードユーザーです」とはレクサス本部製品企画チーフエンジニアの金森善彦さん。GSではなく他へ逃げてしまっているISのアップグレードユーザーをしっかり取り込みたいのだ。
同時に、LSからのダウンサイザーも取り込みたいという。「現在のGSユーザーに話を聞くと、本来なら『LS』に乗りたいが、運転手に見られるから“仕方なく”にGSに乗っているというのです。そこで、これからは“GSが良いから”と、積極的に選んでもらいたいと考え、まずはレクサス内でのユーザーを取り込みます」。
では、それ以外のユーザー、特にドイツ系ブランドは考えないのだろうか。金森さんは、「この市場はずっと同ブランドの同セグメント移行(Eクラス→Eクラス、5シリーズ→5シリーズなど)が多いのです。正直なところ、そういうユーザーは取りたいですが、多分、実際には取れないと思います」と話す。
理由は、「そのブランドに憧れて購入しているので、そういうユーザーに無理やりこっちに来いというのは土台無理なのです。仮に、このGSで来てもらえても、その次で戻ってしまう可能性があります」と分析する。つまりメルセデス神話やBMW神話など、ブランドイメージにこだわりを持って選んでいるユーザーは難しいというのだ。
ただし、「何でもいいので、楽しいクルマが欲しいというユーザーと、(欲を言うなら)いろいろ比較をしたうえでメルセデスやBMW、アウディを購入しているユーザーは取りたいですね」とし、新型GSのレベルの高さをアピールした。