産業用ロボットやインバーター世界首位メーカーとして知られ、風力発電機用のジェネレーターなども手がける安川電機が、EV搭載を想定した新しいモーター、インバーターシステムを参考出品した。
スペックは連続出力122kW、定格トルク200Nmと強力。許容回転数は1万2000rpmで、減速比3:2で使った場合、静止状態からの発進で300Nmのトルクを得られることになる。セッティングによっては大型燃料電池サルーンや小型トラックなどにも使えそうな勢いである。モーター単体の重量は60kg弱。
インバーターは15年15万マイルといった長期使用でのメンテナンスフリー性を考慮して、次世代技術として注目されている直接水冷ではなく間接水冷方式だが、こちらも十分コンパクトに仕上がっている。ブースでは高速運転デモも行われていたが、モーターづくりのノウハウを駆使した低速時、高速時それぞれの騒音・振動制御もきわめて良好に機能していた。
「われわれはこれまで自動車用の原動機は手がけていませんでした。本格的な量産品を作るとなれば、まだまだ知らないことがたくさんあると思います。これを機に、研究開発で交流を持てればと期待しています」。(安川電機関係者)
重電分野のノウハウを豊富に持つ企業がEV開発のプレーヤーに加われば、クルマの電動化技術の進化の速度もより速まるというもの。今後の展開に期待したいところだ。