三菱自動車は第42回東京モーターショーに、間もなく生産が開始される世界戦略車の新コンパクトカー『ミラージュ』を参考出品する。
そのデザインは、「これまでのジェットファイターグリルなど強いデザインイメージを持たせることが、嫌われる要素になりかねないと考え、若干そういうイメージを外しました」と話すのはエクステリアデザインを担当したデザイン本部デザイン部主任(デザイン担当)の吉峰典彦さん。そのかわり、今回はより長く使ってもらえるために、面のやさしさなどを作り込んだ。
そして、「“less is more(より少ないことは、より豊かなこと)”を追求することによって、3つの表情が出てきました」という。まずサイドビューではかっこよさを表現した。「空力を考慮しルーフを下げる代わりに、ベルトラインの前側を落としてウェッジを効かせたことによる効果です」。
フロントの表情は少しやさしめ、大らかな感じとした。「逆スラントノーズは使わずに三菱の少しシャープなラインを使いながらも、優しい表情を作ったのです。また、グリルを小さくすることによって、空力であるとか、エコロジーな要素を少し持たせました」。
リアに関しては「極力角を多用して、空力的に効果のある要素をふんだんに使いました。それにより、Bセグメントの中ではCd値トップとなりました」。
それ以外にCピラーにもある思いが込められていた。「エクストラガラスをつけることが出来ないので、その分、切り返しをつけたり、角度を調節して力強さを表現しています」。この案をヨーロッパの人に見せたところ、「Cピラーが細いとルーミーに見える。太いと荷室の広さを感じる。(このミラージュは)力強さとともにこのようなファンクショナルなものもきちんと表現されていので、全くネガティブな要素はないと言われました。そこに、デザイン的なメリットも感じてもらえればうれしいです」と語った。