日産自動車の中国合弁である東風汽車有限公司の中村公泰総裁は13日、横浜市の日産本社で記者会見し、2012年から市場投入する中国での独自ブランド「ヴェヌーシア」の半数を地方都市部で販売する計画を明らかにした。
ヴェヌーシアは、東風汽車が「東風日産」とは別のブランドとして中国市場でのエントリー層向けに開発しているモデル。すでに今年4月の上海モーターショーではコンセプトモデル(セダン)が公開されている。
日産は15年までに中国での販売を10年比でほぼ倍増となる230万台に拡大する中期計画を7月に公表している。このなかでヴェヌーシアは同年までに電気自動車を含む5モデルを投入し、30万台の販売を目指す。
中村総裁は、東風日産ブランドの地方都市での販売比率が4割程度となっているのに対し、ヴェヌーシアでは「地方部で初めてクルマを購入する層を中心に開拓」し、5割とする方針を示した。
ヴェヌーシアは中国ブランドではあるものの、規制によりトランクリッドには「東風日産」のエンブレムも付けられる。中村総裁は「東風日産の品質やアフターサービスの良好なイメージも伝わるので、販売の後押しにつながる」と、計画達成にも自信を示した。