ビッグサイズが最初の印象。従来モデルよりもさらに一回り大きくなった。しかしデザインはシャープで力強く俊敏だ。
すべて左ハンドルのみの設定だが、ETCの発達した高速ではゲートの通過のみ注意を払えばよいだろう。
3.5リットルエンジンはとりわけパワフルではないが、低中速域のトルクをしっかりと出しており、追い越しや登坂では全く問題ない。
そしてハイライトはハンドリングだ。ハンドル応答性はしっかりとしており、しかも過敏ではない。またロールが抑制されており、連続したコーナーが続く山道でもライントレース性が優れ、思いどおりのコーナリングラインを取ることができる。
オンロードではサイズをあまり感じさせない。オフロードでは路面に合わせた駆動力配分がダイヤル一つで可能で、プロの技が素人でもできる。ただし優に2tを超える重量は当然走行に限界があり、しかも空力を優先して顎が低いので、ハードなところは勧めない。グランドツアラーとして合格だ。
■5つ星評価
パッケージ:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★★
お勧め度:★★★★
日下部保雄|モータージャーナリスト
学生時代よりモータースポーツに傾倒する。全日本ラリーチャンピオンシップAクラスチャンピオン、全日本ツーリングカー選手権ドライバーランキング10位という実績に加え、海外ではWRCの英国RACラリー連続参戦、入賞、ドイツ・ニュルブルクリンク24時間レース入賞など、豊富な実績。モータージャーナリストとして四半世紀以上のキャリアを持つ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、AJAJ会長。