トヨタ自動車は6月13日、野村不動産、大京、トヨタホームと共同で、2012年春からマンション向けに電気自動車(EV)やプラグインハイブリッドカー(PHV)を使ったカーシェアリングを実施すると発表した。
東京都で計画中のマンション「プラウド駒場」、「プラウド杉並和田」の2棟と、愛知県で計画中の「ヴィラス星ヶ丘の森」の1棟に対し、1棟あたり2台、計6台の『プリウス・プラグインハイブリッド』とEVを配備する。
車両は各地域のトヨタレンタリース店を通じて提供・運営し、駐車場や充電設備は各不動産開発会社と機械式駐車場メーカーのIHI運搬機械と協力しながら整備する。カーシェアリング利用料などは今後詰める予定。
鉄道インフラが整備されている都心部のマンション住民などを中心にカーシェアリングが普及してきており、石油消費の抑制や地球温暖化への対応策としても注目されている。トヨタは、将来の車のあり方につながる新しい利用法の一つとして、PHVとEVを使ったカーシェアリングを実施することにした。
プリウスPHVは家庭用電源から充電可能で、満充電状態なら電気だけで23.4kmの航続距離がある。充電分を使い切った後は、従来のハイブリッド車と同じ、エンジンを併用して走行するため、電池の残存量や充電インフラの整備状況を気にせず使用することができる。2012年初めまでに市販する計画。
EVについては近距離移動に適したクルマと位置づけ、トヨタ『iQ』をベースに航続距離105kmを走行できるモデルを開発中で、2012年の市場導入を目指している。近距離ユースに見合った利用方法の一つとしてカーシェアリングをとらえており、今回の事例も踏まえながら、今後のEV普及に向けたあり方を検討していく。