【新聞ウォッチ】大震災から2か月、「トヨタ正常化前倒し」に一喜一憂

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トヨタ自動車堤工場
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年5月11日付

●東電賠償策決定へ、「公的管理」受け入れ、額に上限設けず(読売・1面)

●米マイクロソフト、スカイプを買収(読売・2面)

●富士重工新社長に吉永氏発表(読売・9面)

●テスラEVセダン、予約開始充電1回480キロ走行(読売・10面)

●トヨタ生産回復前倒し、部品調達メド、8月下旬にも(読売・10面)

●夏の電力全国で切迫、原発54基、42基停止も(朝日・1面)

●東日本大震災から2か月(朝日・1面)

●エネルギー計画白紙に、首相表明、太陽光活用や省エネ(朝日・4面)

●損保ジャパン未払い計3200件、03年度以降(朝日・7面)

●中国の新車販売、前年同月下回る、09年以来、補助カットなど影響(朝日・8面)

●国内の新車販売フィットが首位、4月2か月連続(朝日・8面)

●脱ワンマン狙い4人を副社長に、スズキ(朝日・8面)

●1万円で新幹線も終日乗り放題、JR東日本、6、7月の計20日間(朝日・37面)

●自動車部品なお不足、電子関連、塗料の供給不安定(毎日・8面)

●被災地で中古車高騰、全国的な「品薄」拍車(毎日・26面)

●トヨタ省エネ模索、中部電管内の工場、休日稼働を検討、浜岡原発停止(東京・7面)

●商社7社、大幅増益、3月期決算、資源価格上昇で(東京・7面)

●富士重が過去最高益、震災影響も海外好調(東京・7面)

●白鵬らトヨタ系工場慰問へ、名古屋の恩宮城で返す(東京・24面)

●ルネサス1150億円赤字、前期最終 震災で下方修正(日経・9面)

●宮城に生産集約完了、セントラル自、神奈川から(日経・9面)

●トラック生産7月に正常化、日野自(日経・9面)

ひとくちコメント

東日本大震災の発生から2か月を迎えた。死者・行方不明者が2万4000人を上回り、避難者は依然11万人を超えているという。一方で、被災した工場や道路、物流網などの復旧は急ピッチで回復しつつあるが、福島第一原発からの放射能物質の放出も続いており、影響の長期化も懸念される。

こうした中で、トヨタ自動車が「生産正常化の時期を2〜3か月前倒しする」と10日付の日経夕刊が1面トップで報じたことで、トヨタをはじめ自動車株などが反発した。

きょうの読売にも「早ければ8月下旬に震災前の水準に戻す方向で調整している」などと取り上げており、朝日も「当初予定よりも1か月早める方針を固めた」と伝えている。

トヨタでは、大型連休前の4月22日には、豊田章男社長が、国内外の生産見通しについて緊急会見を開き、「11月から12月ころに震災以前の正常な状況に回復できる見込み」と語っていた。

ただ、その時点では、中部電力の浜岡原子力発電所の全面停止などは“想定外”としていたとみられる。きょうの東京によると、トヨタは「中部電力管内の工場稼働日を平日から休日に変更することを検討する」と報じているが、毎日は「夏場の電力不足の影響もあって苦しい局面がしばらく続きそうだ」とも指摘している。

きょうはトヨタも2011年3月期の決算を豊田社長が発表する。各紙の憶測報道を受けて「前倒しの根拠は?」との質問も想定されよう。「1日でも早く正常な状態に戻すべく、現場を中心に全力を上げて取り組んでいる」との定番のコメントはともかく、正常化へのより具体的なタイムスケジュールを示せるのかどうかも興味津々である。

《福田俊之》

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