[広州・日産ディーラー取材]一店舗で月200台を販売、サニー受注も好調

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東風日産 広州広利店
  • 東風日産 広州広利店
  • ほぼ日本と同じラインナップを取り揃える
  • 広州広利店で販売マーケティングを担当する張氏
  • 月50〜60台を販売する人気車シルフィ(ブルーバードシルフィ)
  • 平日の昼間でも客足が途絶えることがない
  • シルフィに次ぐ人気車ティアナ(左)、ラヴィダ(左から2番目)、ティーダ(右から2番目)
  • 東風日産 広州広利店
  • 広州では起業家、自営業の人が購入者の多数を占めるという

広州モーターショーが開催された中国広東省広州市。日本車メーカーの生産拠点がある影響もあり日本車の人気も高いという同市で、現在4店舗を展開する東風日産の正規ディーラーに広州市場の動向について話を聞いた。

今回取材に応えてくれたのは、広州市白云区にある東風日産広利店で販売マネージャーを務める張氏。まずは中国市場での人気車種、そして広利店での販売台数について聞いた。

「『ティアナ』、『ティーダ』、『シルフィ(ブルーバードシルフィ)』、『リヴィナ』が売れ筋です。中でもシルフィは12万元(約150万円)からという価格と、大きなボディサイズでコストパフォーマンスが高いと人気です。広利店では月200台を販売していますが、うち50~60台をシルフィが占めています」

購入層については、商業の盛んな広州ということもあり、起業家や店舗経営者が多いという。『マーチ』からティアナまでフルラインナップを取り揃えることもあり、購入者の年齢層も偏りなく20代~60代までと幅広い。

トヨタ、ホンダが強いと言われる広州市場だが、日産車の人気、位置づけはどのようになっているのか。同氏は、「日産はトヨタ、ホンダに比べ中国市場での展開が遅れましたが、特に今年は好調だったと言えます。トヨタさん、ホンダさんのリコール問題は中国でも大きく取り沙汰され、販売台数が減少したと聞いています。そんな中、日産は着実に販売台数を伸ばして来ました。大衆に向けたブランドであることが日産の強みではないでしょうか」と語る。

中国では安全性に問題のある偽造部品が多く出回り、自動車メーカーや部品メーカーは対策に追われている。これらの根絶にはユーザーの意識を高める事が重要だとされているが、ディーラーとしてアフターサービスに対する積極的なアピールは行っているのだろうか。

「ディーラーではしっかりとしたプロのサービスを提供している、ということを案内しています。また季節毎にキャンペーンを実施し、積極的にディーラーでの整備を受けてもらえるようPRしています。広州市については4店舗を展開していますので、市内全体をカバーできていますし、わざわざ正規ディーラー以外の整備工場に出す人も少ないと思います」

日産は今回のモーターショーで小型セダン『サニー』を発表した。20日に販売を開始し、年末から順次納車をおこなうという。まだ店舗には実車が届いていないにも関わらず、既にオーダーが多数入ってきており、販売にも期待が持てそうだという。

その要因について同氏は、「広州の人にとってはまず価格、そしてコストパフォーマンスが大きなポイント。サニーは8万元(100万円)からと安価で、内装もしっかりしています。ファーストカーとしてだけでなく、セカンドカーとして選ぶという方も少なくないようです。広州を含め中国国民に広く受け入れられるクルマになるのではないかと期待しています」と述べた。

中国では排気量が1.6リットル以下の乗用車に対する取得税優遇、スクラップインセンティブ、主に農村部を対象にオート三輪や旧式トラックなどからの買い替えを優遇する「汽車下郷」など刺激策を実施している。2010年はこれを契機に自動車産業は大きく販売を伸ばした。2011年は低排気量車の取得税優遇のみとなるが、サニーについてもこれが適用となるため、「ユーザーにとっても魅力あるクルマの一台となる」と張氏は期待を込める。

取材中も常に客足が途絶える事無く、平日にもかかわらず広い店内では10組もの顧客が商談を進めていた。一店舗で月販200台、サニー効果でさらなる純増をめざすという。張氏の自信に満ちた笑顔に、中国市場の活気を見せつけられた気がした。

《宮崎壮人》

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