「いったい、どこにバッテリーを積んだの?」と首を傾げてしまうくらい、標準モデルと遜色ない室内空間、ラゲッジの使い勝手を実現している『フィット・ハイブリッド(HV)』。
元気のある走りもそのままで、価格を考えたらハイブリッドカー購入を検討する人にはとても魅力的だ。
ただ、標準モデルの1.3リットルでも燃費は良いので、ふだんあまり乗らないという人にはハイブリッドでなくてもいいかも。もしくは、街中メインで長距離なんて全然走らないという人なら、アイドリングストップ付きのライバル車の方が、もしかすると効率的かもしれないと思う。
とはいえ、ビギナーにもフレンドリーなのがホンダのハイブリッド車の魅力で、フィットHVに乗ることは、その一員として新しい楽しさが広がる世界へ、一歩踏み出すことと同じ。
例えばメーター色の変化でエコドライブをコーチしてくれる機能や、インターナビを通じて全国のユーザーと「エコグランプリ」で競ったり。そうした意識の変化、楽しみ方の変化は、標準モデルやライバル車では体感できないこと。
だから、細かな燃費の善し悪しではなく、広い意味でエコドライブの楽しさを味わってみたい、という人にオススメしたい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
まるも亜希子|カーライフジャーナリスト
大学在学中に声優デビュー、卒業後は自動車専門誌で編集者を務める。2003年、カーライフ・ジャーナリストとして独立し、雑誌、ウェブ、ラジオ、CS、イベントへの出演等を軸に活動中。2004年、2005年には、サハラ砂漠2500kmを走破する女性だけのラリーに挑戦し、日本人チームとして初めて完走。