電動バイクの製造・販売を手掛ける中小企業、テコ(本社・埼玉県北葛飾郡松伏町)は10月末から自社のフィリピン工場で量産を開始する。生産能力は月産500台。
「今年7月から自社設計の部品を中国や台湾の企業につくらせ、それを日本で組み立てて月30台のペースで試験的に販売してきたんです。それが軌道に乗ってきたので、本格的にフィリピンで生産しようとなったわけです」と西下崇史社長は話す。
製造する電動バイクの主な仕様は、全長1600mm、全幅820mm、全高970mm、シート高730mm、軸間距離1315mm、車両重量110kg。最高時速は約60km/h。ブレーキはフロントがディスクで、リアがドラム。バッテリーはシリコンとリチウム。1充電当たりシリコンが30km、リチウムが65km走行可能。
「バイクにはエコモードとパワーモードの切り替えスイッチが付いていて、エコモードにすると、倍の走行が可能になります」と西下社長。ただ、リチウムのものは来年3月からの発売になるそうだ。
「従来の電動バイクは、ホイールインモーター方式が主流で、それだと駆動ロスが多く、どうしても出力や航続距離に問題が出てしまっていたのです。その点、当社のものはCVT式のミッションに600Wモーターを組み合わせているので、発進、低速、高速と非常に安定した出力を発揮できるようになりました」と熱く語り、とりあえず月販100台を目標に販売を進めていくそうだ。