マイナーチェンジしたホンダ『フィット』には、継続して「RS」というスポーティなグレードがある。今回のマイナーチェンジではハイブリッドに目が行きがちだが、実はこの「RS」にもかなり力を入れたことが伺えるのだ。
本田技術研究所四輪R&Dセンターデザイン開発室第1ブロック1スタジオ中原潤さんは、「RSについて販売店やユーザーの評判を聞くと、乗ると1.5リットルで走りが良いのはわかるが、乗るまでのところ(見た目)で差別化が足りないのではと若干の声があったのです」という。
そこで、「今回はそう言われないように思い切りやろうと、6速MTの採用や、エンジンレスポンスを改良したり、エクゾーストノートの改善もしています」と話す。そしてデザインとしても、「フロントのロワーグリルを、ひと目でわかる大開口モチーフと名付け、ガーニッシュでブラックアウトすることで、スポーティさをアピールしています」という。これは、他モデルと同様の開口部ではあるが、その周りをガーニッシュ等で演出することで大開口に見えるようにしているのだ。また、「ヘッドライト周りをガンメタ調にして、RSバッチを付け、フロントから見て、形だけではなく、記号としてRSというのを訴求しようとしたのです」。
また中原さんは、「当然初代の『シビックRS』は意識しました」と話す。それは、特にボディカラーに表れているという。また、「いまの『シビック』はだいぶ大きくなった。そいう点でこの『フィット』が当時の『シビック』くらいの大きさでしょう。そういうサイズ感というところは意識しました」と語った。