アウディAGは8〜11日、『R8』のボディを使ったEV実験車両、アウディ『R8 eトロン』で、アルプス山中で開催されたラリー「ジルブレッタEオートラリー・モンタフォーン2010」に参戦した。
このラリーは、オーストリアのフォラルルベルク州を走行する167.5kmのレースで、アウディAG技術開発担当のミヒャエル・ディック取締役とファクトリードライバーのルーカス・ルール氏がドライバーを務めた。
R8 eトロンは、4個のモーターをフロントとリヤアクスルに各2個ずつ搭載する。各モーターは短いシャフトを経由してぞれぞれのホイールとダイレクトに接続するが、個別に制御するため、コーナーでの横方向の動きを制御する。従来の「クワトロ」ドライブを装備したスポーツディファレンシャルと同様に、R8 eトロンは各ホイールに個別に加速力を与えて、トルクをアクティブに分配する。
テスト車両の最高出力は313psで、最大トルクが4500Nm。0-100km/h加速は4.8秒となっており、実験車両の最高速度は200km/h。水冷式のリチウムイオンバッテリーをキャビンのすぐ後方に搭載し、前後アクスルの重量配分は42:58と理想的にした。
バッテリーは、ケーブルとプラグを使用して家庭用電源(230ボルト/16アンペア)から充電する。フル充電までの時間は、バッテリーが完全に放電した状態で6~8時間。
テスト車両はルマン24時間耐久レースのエキジビション「Le Mans vers le futur」(ルマン、未来に向けて)でデモンストレーション走行を行った後、今回のレースに参戦した。今後、3つのステージで戦う予定。