単純に言うなら『C3』の基本プラットホームをベースに作られた3ドア車だが、特徴的なデザインを採用すると同時に、ビークルパーソナリゼーションとして豊富な選択肢の中からユーザーが自由に内外装を選択をできるようにするなど、C3とは明確な違いが設けられている。全体にMINIを強く意識して作られたクルマであるのは明らかだ。
シャークフィンタイプのBピラーやそれによってボディから浮いたように見えるフローティングルーフなど、ほかのクルマにはない個性的なデザインを採用する。
搭載エンジンは直列4気筒1.6リットルで、自然吸気仕様には4速ATが、ターボ仕様には6速MTが組み合わされる。試乗したのはC3には設定のないターボ仕様車で、パワフルなエンジンがスポーティな走りを実現する。
とりわけ低速域でのトルク感にあふれた走りが印象的で、低い回転数で最大トルクを発生するから、どこからアクセルを踏み込んでもラグのない滑らかで力強い加速が得られる。
ターボ車の足回りはかなり硬めの味付けだ。タイヤサイズの違いもあって乗り心地を重視したC3とは明確な違いがあり、スポーティな走りが楽しめる。マニュアル免許を持っているならターボ車を選んだほうが良い。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。