気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2010年6月23日付
●参院選あす公示民主「改選54議席超を」首相、単独過半数60に意欲(読売・1面)
●マツダ11人死傷「秋葉原のようにする」ブレーキ跡なし、容疑者、強い殺意か(読売・39面)
●鋼材高騰車業界の苦悩(朝日・12面)
●インド「マーチ」80万円から(朝日・12面)
●トヨタ広州工場生産を全面停止、ストで部品供給滞り(朝日・12面)
●日立・三菱重工が提携、海外の都市鉄道事業(朝日・13面)
●教育的観点で取り組む、張・次期体協会長が抱負(毎日・20面)
●高速無料化区間、来年度に拡大(産経・10面)
●社説:暴走殺傷、“希望格差”はあるのか(東京・5面)
●ハイブリッド車用モーター、東芝、フォードに供給、米に新工場、基幹部品の競争激化(日経・1面)
●自動車部品各社、収益力回復に格差(日経・15面)
ひとくちコメント
広島県広島市や府中町にあるマツダの本社工場敷地内に男が乗用車で侵入し、11人を次々はね飛ばし、このうち1人が死亡、2人が重傷、8人が軽傷を負った。22日朝の悲惨な出来事で、夕刊は日経を除き各紙が1面トップ、きょうの社会面などにも事件の続報を詳しく取り上げている。
暴走車による残虐な死傷事件が、またもや起きてしまった。2年前の東京・秋葉原の無差別殺傷事件を思い出された人も多かったことだろう。今度は車を組み立てるマツダの工場内。しかも容疑者は42歳の元マツダ期間従業員だ。
読売などは犯行の動機などについて「マツダに恨みがあった。秋葉原事件のように、包丁でむちゃくちゃにしてやろうと思った。車を止めて包丁を振り回すつもりだった。精神的にむしゃくしゃして、殺すつもりだった」などと、強い殺意を抱いていたような供述をしていることがわかったと伝えている。
ただ、マツダによると、容疑者は今年3月25日に採用され、4月1日に工場に配属されたが、14日に「一身上の都合」を理由に退職。トラブルはなかったという。
わずか半月ほどの勤務期間で容疑者がどんな恨みを持っていたのかは定かではないが、東京の社説でも「そんなことで社員を無差別殺傷の標的にするのは憎むべき身勝手な犯行であり、理由にもならない」と指摘するように、言語道断だ。
リーマンショック以降、製造業では派遣社員や期間従業員がリストラに遭遇するケースが相次いで、雇用の機会が減少していることも事実。しかし、それでむしゃくしゃして、罪もない一般の社員を巻き込んで無差別に殺傷してしまうというのは、余りにも短絡的過ぎる。はらわたが煮えくりかえるほどだし、情けない。