【新聞ウォッチ】自動車産業に頼らない---経産省の戦略5分野

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2010年6月2日付

●首相進退結論持ち越し、小沢氏らに「引き続きやらせて」(読売・1面)

●三菱重、豪華客船造り「復活」「低公害」アピール、600億円受注目指す(読売・1面)

●車販売10カ月連続増、リーマン・ショック前上回る(読売・8面)

●過大報酬請求弁護士処分、横浜弁護士会、三菱自動車事訴訟の代理人(読売・28面)

●電気自動車購入最高80万円補助、中国が普及推進策(朝日・11面)

●ビジネスサロン:スズキ・鈴木修会長、二輪事業立て直し課題(毎日・9面)

●ホンダ中国工場、4日にも生産再開、ストほぼ収束(産経・10面)

●経産省ビジョン、環境事業など149兆円拡大へ(産経・10面)

●中国工場で100人が乱闘、ホンダ系(東京・9面)

●電気自動車、超高速充電の新技術、JFEエンジニアリング、年度内にも商品化(東京・9面)

●三菱自動車トラック豪でリコール、4万台が対象(日経・12面)

ひとくちコメント

経済産業省が日本の産業競争力強化に向けた新たな成長戦略である「産業構造ビジョン2010」を公表した。きょうの日経が1面準トップと「社説」でも取り上げたほか、各紙も経済面などで報じている。

ビジョンの骨子は、原子力発電・鉄道といったインフラ輸出や環境・エネルギー、医療・介護、文化産業、ナノテクや航空機といった先端分野など「戦略5分野」の育成に取り組み、目標年次の2020年までに新たに149兆円の市場と258万人の雇用の創出を目指すとしている。

興味深いのは「自動車、電機産業に依存した産業構造を転換し、成功神話から脱却して、国を挙げて産業競争力強化に乗り出す」と明記している点。読売は「日本経済の行き詰まりへの強い危機感が背景にある」として「自動車関連産業への依存や、日本企業が国内競争で消耗している現状の改善を進めるべきだとの認識」と指摘している。

もっとも、「自動車、電機産業に依存しない」としながらも、電気自動車などの次世代エコカーは環境・エネルギー分野を担う大きな目玉。ホンダが7月20日に発表する新成長戦略では、低価格、低燃費、低炭素社会にふさわしいプラグインハイブリッド車の投入などを中核に位置づけたい考えだという。皮肉のようだが、今回の「戦略5分野」は、自動車メーカーにとっても生き残るための新たな“稼ぎ頭”となるようだ。

《福田俊之》

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