5月23日正午、快晴の空の下、予選2日目のアテンプトがスタートした。
前日のポールデイで全33グリッド中、上位24位は確定済み。2日目の今日は、昨日25位以下となったマシンと、クラッシュにより初日予選に出走できなかった佐藤琢磨、トニー・カナーンの他、スポット参戦のシートを獲得し今年初めてのアテンプトに挑むブルーノ・ジュンケイラ、ジャック・ラジアら全37ドライバーが集結した。
すでにグリッドを決めた24人を除く13ドライバーが、まずはファーストアテンプトを行いタイム順に25 - 33番の暫定グリットを決定。ここからインディ名物、バンプアウトがスタートする。
最後の最後まで緊迫のドラマが続いたバンプデイは、朝の練習走行でのカナーンのアクシデントから始まった。昨日も大クラッシュで予選走行を見送ったカナーンが2日連続の大クラッシュで再びマシンを大破。優勝候補にも名前があがる2004年シリーズチャンプは、ファーストアテンプトへの出走もかなわない状況に陥ってしまった。
さらに、正午に始まった暫定25 - 33番グリッドを決めるファーストアテンプトでは、なんと佐藤琢磨がバンプアウトされてしまう。昨日深夜に及んだマシン修復。ほぼニューマシンで「ぶっつけ本番」、前日よりも路面温度の高い状態でのアテンプトとなり、タイムをのばしきれなかったのだ。
ここで最速ラップを刻んだのは、FAZZTレースチームのシートを得たジュンケイラ。4周平均速度225.692mphと昨日のポールデイでも8番時計にあたるタイムを計測し、ファステストアワードの1万ドルを獲得した。しかし、すでに24番グリッドまでは埋まっている為、ジュンケイラは25番グリッドからのスタートとなる。
アテンプトが一巡した段階で、グリッドを得られなかったのはトニー・カナーン、ジャック・ラジア、そして佐藤琢磨、ミルカ・デュノの4ドライバー。一方、オンザバブルと呼ばれるバンプアウトの対象となる33番手は19歳のコロンビア人ルーキー、セバスチャン・サベードラ、セカンドバブルはジェイ・ハワードという格好だ。
アテンプトが行われていない間のプラクティスをはさみつつ、バンプデイ序盤はゆったりと進行していった。サーキットが俄に慌ただしくなり、緊迫のドラマが始まったのは、路面温度が下がり始め、終了時刻1時間前を切った頃。
オンザバブルのサベードラがクラッシュでマシンを大破した。これで一度バンプアウトされると再チャレンジはかなわない。終了45分前、マシンの調整を終えたカナーンが満を持してコースイン。224.072mphを計測し暫定グリッドを確保しサベードラをバンプアウトした。
続いてサベードラに替りオンザバブルとなったロマンチーニがタイム更新を狙ってアテンプト。好タイムを得て暫定27番グリッドを確保し、オンバブルはハワードに。
ここでいよいよ佐藤琢磨のアテンプトとなった。佐藤琢磨は手堅く224.178mphを計測しハワードをバンプアウト。
残り時間が少なくなったところで、アテンプトの順番を待つラインには再トライを狙うハワード、慌ただしい展開の中でオンザバブルとなったポール・トレーシー、ラジア、デュノ、そしてニュータイアに履き替えてタイム更新を狙う佐藤琢磨らが連なった。
持ちタイムを捨てて再アテンプトに挑んだトレーシーは、ウォームアップラップでウォールにマシンをブラッシュ。タイムも低調でなんと先にバンプアウトされたハワードの記録を下回り、このタイミングでバンプアウトとなってしまう。さらにスピードにのれず自らウェーブオフ(走行中断)したデュノに続いて、なんとハワードがコースイン。トレーシーが自らのタイムを下回ることが確定した時点で、時間も限られていたことから、持ちタイムを捨て再アテンプトのラインについたのだ。
最後の走行者となったハワードのタイムは伸びず、一度バンプアウトされていたサベードラを下回ったことから、サベードラは最後の最後でアテンプトすることなく33番グリッドを手中に収めることになった。
33のグリッドを巡る緊迫のドラマは、注目のポール・トレーシー、ジャック・ラジア、ミルカ・デュノ、そしてジェイ・ハワードのバンプアウト。佐藤琢磨は31番、トニー・カナーンが32番、最終33番グリッドはサベードラが占める結果で幕を閉じた。
バンプディ朝の練習走行でトニー・カナーンが2日連続となる大クラッシュ
一旦はバンプアウトされるが、他クオリファイヤーの再アテンプト失敗で33番グリッドに復活したサベードラはバンプディ終盤にクラッシュ