国土交通省は21日、飲酒運転根絶に向けた公共交通活用策に関する調査研究業務報告書をまとめた。
特定の地域として、山梨県甲府市と周辺市町を対象に、2009年12月18日から2010年2月26日まで、金曜夜の深夜バスを増便する社会実験を行い、その結果をまとめたもので、バス利用者へのアンケート調査では8割以上が「飲酒後の帰宅の際のバス利用が増える」と回答していることから、報告書は「深夜バス増便は飲酒運転根絶に有効」としている。
社会実験は、山梨交通の協力で、革飲食店組合、各宿泊施設組合・協会、交付商工会議所、山梨県バス協会、山梨県交通安全協会が運営経費を負担し、通常の最終便(22時30分発)より45分遅い23時15分発の便を増発した。
利用者アンケートの結果では、従来の最終バス利用者の乗車理由で「飲酒」は4割程度だったものが、増便バス利用者では「飲酒」が8割以上を占めた。
実験では中心市街地活性化の効果も狙ったが、飲食店・宿泊施設等へのアンケートでは、「効果があった」「効果はなかった」との意見が4分の1ずつで、「わからない」という回答が半数を占めた。