2日、英国シルバーストンで、FIA GT1世界選手権第2戦の決勝レースが行われ、今シーズンから本格参戦した日産『GT-R』が、初勝利を収めた。
FIA GT1世界選手権仕様のGT-Rは、駆動方式をFIAの規定により、4WDからFRに変更。エンジンは、市販の3.8リットルV型6気筒ツインターボ(485ps、60kgm)から、北米専用フルサイズSUV、『アルマーダ』やインフィニティ『QX56』用のVK56DE型5.6リットルV型8気筒(600ps、66.3kgm)に換装する。トランスミッションはリカルド製6速シーケンシャルで、トランスアクスルレイアウトを採用した。
GT-Rは2チームから合計4台がFIA GT1世界選手権にエントリーしているが、初の栄冠をもたらしたのは、22号車の「スモウパワーGT」。ジェイミー・キャンベル・ウォルター選手とウォレン・ヒューズ選手がドライブした。
実は22号車は、決勝レースを3位で終えていた。ところがレース終了後、2位のアストンマーチン『DBR9』に、ピットレーン走行に関するルール違反で15秒のタイムペナルティが課せられ、GT-Rは2位へ浮上。そして今度は、1位でフィニッシュしたアストンマーチンDBR9が再車検の際、規則違反が発見され失格に。これにより、GT-Rは繰り上げ優勝となったのだ。
4月17日、開幕戦のアブダビでは、12位が最高だったGT-R。その理由は、ウェイトハンデがライバルのシボレー『コルベット』やランボルギーニ『ムルシエラゴ』の10kg、マセラティ『MC12』の25kgに対して、GT-Rは30kgと重いのが一因とされた。第2戦は「棚ボタ」的勝利とはいえ、ウェイトハンデを覆す健闘を見せたといえそうだ。