東レは、ダイムラーAGと炭素繊維複合材料(CFRP)の自動車部品を共同開発することで合意した。自動車の燃費向上のため、軽量化に役立つCFRPを自動車のボディに採用していく。
両社は今後、東レが開発したCFRPの革新的成形技術である「ハイサイクルRTM成形技術」を活用して、CFRP自動車部品を開発する。東レは、最適な炭素繊維素材の開発に加えて、主に部品設計と成形プロセスの技術開発を、ダイムラーは接合技術の開発を進める。両社が保有する技術を融合することで、短サイクルの成形加工プロセスを実現し、3年以内にダイムラーのメルセデスベンツ乗用車にCFRP部品の採用を目指す。
東レは世界最大の炭素繊維メーカーで、自動車の軽量化が図れる炭素繊維複合材料事業を自動車分野に拡大することを課題にしている。ダイムラーは、燃費向上に向けて、「メルセデスベンツの全モデルのホワイトボディを先代より最大10%軽量化する」開発目標を掲げている。この一環として、今後CFRPの適用部品と対象車種の拡大を積極的に進めていく計画。
CFRPは、航空機などの使用されており、鋼板よりも大幅な軽量化が図れるものの、コストが高い。ダイムラーは鋼材価格が高騰していることもあってCFRPを活用、低燃費モデルを開発する。