いやはや、実に良くまとめあげたクルマだと思う。乗り心地もすこぶる優しいし、それでいてハンドリングはスポーティである。切れ味はそこそこいいのだ。少なくともダルな印象はない。動力性能も高い。3.5リットル級セダンとしては、かなり加速力は強いと思える。走りと乗り心地のバランスが整っているのである。 もっとも、強烈な個性には乏しい。いかにもトヨタ流セダンといった作り込みだから、尖った性能よりもアクを徹底的に削ぐことに注視したような印象なのだ。たとえば、潔く走りに特化させた『フーガ』などと比較するならば、没個性である。イメージキャラクターの俳優・佐藤浩市に理想の部長を演じさせたり、サムライを名乗ったりと、色香の濃い武闘派路線を演出はしているものの、中身は薄味なのだ。そのぶん嫌みはないのだが、日常を穏やかに過ごしたいと望む人に適していると思う。 ■5つ星評価パッケージング:★★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★★フットワーク:★★★オススメ度:★★★ 木下隆之|モータージャーナリストプロレーシングドライバーにして、大のクルマ好き。全日本GT選手権を始め、海外のレースでも大活躍。一方でカー・オブ・ザ・イヤー選考委員歴は長い。『ジェイズな奴ら』を上梓するなど、作家の肩書きも。
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