【ポルシェ 911 ターボ 試乗】頂点の走り…河村康彦

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911ターボ
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直噴ヘッドを採用の完全新開発エンジンを搭載し、デュアル・クラッチ・トランスミッション“PDK”も設定…と、ついにカレラ・シリーズ同様の新世代パワーパックを手に入れた最新の『911ターボ』は、まずは日常シーンでの使い勝手をさらにUP。すでに1600rpm付近からトルクもりもりの新心臓はそれゆえに高いギアを使わせてくれるので、実用ネンピも“500psカー”とは思えない優秀さをマークという理屈。

「硬めではあるものの不快さは感じないフットワーク」という台詞はクーペ・モデルにこそ当てはまるもの。率直なところカブリオレのボディ剛性感はそれよりも明確に落ちるので、自分で“ポルシェのオープン”を選ぶのであればそれは『ボクスター』で決まりだ。

500psのリアエンジン・ターボカーでサーキットを走ると聞けば、ひと昔前までならばとんでもない“じゃじゃ馬”を想像したに違いないもの。が、いざ最新の911ターボでそうしたシーンにトライをすると、覚悟をしていたよりも遥かに扱いやすいのが特筆もの。

無論、限界領域にまで踏み込もうとすればそこではプロレーサーばりのドライビング・スキルを要求されるのは間違いない事ながら、その一歩手前まででヨシとするならば前出PDKや新設のオプション・アイテムであるトルクベクタリング“PTV”やアクティブ制御されるエンジン・マウント、そしてやはり電子制御の4WDシステム“PTM”などが巧みにドライバーをサポートしてくれるのだ。

多くの人にとっての「911の頂点」は、やはりGT2やGT3ではなく、この『ターボ』であると実感させられる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★

河村康彦|モータージャーナリスト
1985年よりフリーランス活動を開始。自動車専門誌を中心に健筆を振るっているモータージャーナリスト。ワールド・カーオブザイヤー選考委員、インターナショナル・エンジンオブザイヤー選考委員。

《河村康彦》

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