ルノーのゴーンCEO、サルコジ大統領から「呼び出し」

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  • ゴーンCEO。2009年11月、フラン工場で
フランスのニコラ・サルコジ大統領は16日、ルノーのカルロス・ゴーンCEOを大統領府に招き、会談を行なった。大統領とゴーン氏は、トルコ工場への全面生産移転説が浮上していた次期『クリオ』(=クリオ4)ついて話した。

会談後に大統領府は、ゴーン氏がクリオ4の生産について「(現在クリオ3を生産している)イヴリンヌ地方フラン市の工場に一部残すことを考えている。同工場の雇用維持も目指すと話した」と発表した。

2013年に生産開始予定のクリオ4をめぐっては、年初から「ルノーが生産を完全にトルコ工場に移すのではないか」との説が流れ、一部の国会議員から雇用対策など国としての対応を促す声が上がっていた。今回のゴーン氏との会談は、そうした状況を見たサルコジ大統領が決めたもの。

フラン工場は、パリの西約40kmにある。当時のルノー公団によって1952年に完成。以来『ドフィン』、『4』、『5』、『18』、『シュペール5』、『トゥインゴ』などの生産を担ってきた。クリオも1990年の「クリオ1」に始まり、「クリオ2」を経て、現在はクリオ3を生産している。

1997年に改組され、フラン工場は独立した合名会社となった。また、2009年11月には、ルノー製電気自動車のバッテリーの生産拠点となることが決まった。従業員数は3255人。年間生産台数は15万9618台(2008年)。ちなみに日本では2008年に、工場名にちなんで「フラン」と名付けられた『ルーテシア』の特別仕様車が販売されたことがある。

いっぽうトルコ工場「オヤック・ルノー」は、1969年にルノー51%、オヤック社49%の出資でブルサ県に設立された。現在は、クリオ3、「クリオ・エステート」、『メガーヌ2』、『サンボル』(クリオの3ボックス版)、『フルエンス』などを生産している。またエンジン、変速機およびパワートレインの工場も併設している。

従業員数は6237人(2008年12月現在)で、 年間生産台数は28万6695台(2008年)。つまり、いずれもフラン工場を上回る。

欧州メーカー各社は不況下で、コストの安い欧州圏外の生産拠点への移転を進めようとしている。そのいっぽうで、各国の政府は、雇用維持の確約をメーカー首脳から取ることに躍起だ。

イタリアでも、フィアットのマルキオンネCEOとイタリア政府の間で、南部2工場の雇用維持に関して解決策が模索されている。ゴーン氏も、しばらくの間難しい舵取りを迫られる。
《大矢アキオ》

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