「InterBEE 2009(国際放送機器展)」の「AT Communications」ブースに出品された2台のHD衛星中継車両は、日産『エルグランド』と、メルセデスベンツ『スプリンター316CDI』がベース車両。
どちらもSWEDISH社製のアンテナがルーフに装備されている。一般的な衛星アンテナは技術者が調整をしなければ最適な送受信が行えないが、今回展示された中継車両のアンテナは、最適な感度になるようにコンピュータが自動でセッティングを行なう。そのため、衛生中継を行なうまでにかかる時間は約10分と短く、特別な技術を持つエンジニアを必要としない。
さらにエルグランドの中継車には、高さ約3mまで伸びる巨大なアンテナをラゲージスペース内に搭載している。このアンテナは無線LAN通信用に用いられ、映像の送受信だけでなく、ネットワークカメラのリモート制御も可能。幕張メッセの会場では、約90m離れた場所にあるカメラと通信するデモを行なっていた。
また、同社はトヨタ『ランドクルーザー』をベースにした中継車両も開発している。今回はパネル展示のみだったが、この車両はすでにブータンの国営放送「BBSC」で活躍中。国土の大部分が山岳地帯のブータンでは、4WDの「ランクルHD衛生中継車」は重宝されているようだ。