『マークII』から『マークX』となって、2代目となる。基本的な機構は『クラウン』を踏襲するが、新型マークXは、4ドアセダン好きな私の心をいたく捉えた。クラウンと車体の幅が同じだが、背を低くしたその姿は精悍で格好いい。
室内は、やや天井が低めだが、それがかえってクルマとドライバーの一体感を覚えさせる。若干ダッシュボードも高めなのだろう。座席をもっとも低い位置に設定した運転姿勢は、落ち着きがあって運転に集中させる。
エンジンは、2.5リットルと3.5リットルの直噴V6だが、私は2.5リットルで十分満足した。軽妙な加速で素早く速度に乗せ、カーブでハンドルを切り込めば、ゆるやかに車体がロールしてコーナリング姿勢が安定する。一つひとつのクルマの反応が適切で、操ることが心地よい。
エンジンやタイヤなど様々な機能の静粛性も優れ、停車中はアイドリングストップしているのではないかというほど振動を感じさせず、静寂さがある。欲しい!と思わせる4ドアセダンだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
御堀直嗣|フリーランスライター
玉川大学工学部卒業。1988 - 89年FL500参戦、90 - 91年FJ1600参戦。94年からフリーランスライターに。主な著書は「燃料電池のすべてが面白いほどわかる本」「ホンダトップワークス」「図解エコフレンドリーカー」「快走・電気自動車レーシング」「ホンダF-1エンジン」「ポルシェへの頂上作戦」「自動車ニューテクノロジー集成」「クルマの基礎知識」など。