日産と住友商事、バッテリーを有効活用するための共同事業を開始…4R事業戦略

エコカー EV
住友商事 副社長執行役員大森一夫氏(向かって左)と日産自動車最高執行責任者志賀俊之
  • 住友商事 副社長執行役員大森一夫氏(向かって左)と日産自動車最高執行責任者志賀俊之
  • 住友商事 副社長執行役員大森一夫氏(向かって左)と日産自動車最高執行責任者志賀俊之

日産自動車と住友商事は10月20日、電気自動車(EV)に使用されたリチウムイオンバッテリーを再利用、再販売、再製品化、リサイクルを行い、グローバル市場でエネルギー貯蔵のソリューションとして2次利用を行うための新たな事業の検討を共同で開始する。

両社が「4R」事業戦略と銘打った今回の事業は、今後EVが市場で広く普及していく中で、再生可能なリチウムイオンバッテリーを有効に活用するための手法を現段階から検討して取り組んでいく。

現在、再生可能なバッテリーを大量に供給する事業は存在しないものの、日本では2020年までに再生可能バッテリーの需要が最低でも年間EV5万台分相当となり、エネルギー貯蔵に対するソリューションへの期待が高まることが予測される。

日産では、リチウムイオンバッテリーが再生可能なことを明確に示しゼロ・エミッションの徹底をアピールしていく方針だ。

日産は、2012年度までにEVの量販を開始する。より多くの消費者がゼロ・エミッション車を選択すれば、その普及に合わせてバッテリーの供給量が増え、再生可能バッテリーの需要も増加すると見込まれている。日産のEVに搭載される高性能リチウムイオンバッテリーは、クルマで使用した後でも70 - 80%の残存容量があり、グローバルでの再利用やエネルギー貯蔵のソリューションとして、他の様々な用途への再販売が可能となる見込み。

4Rのバッテリー事業は、日産にとってEV用バッテリーの高い残存価値を活用できると同時に、自動車による環境への影響を低減させる。住友商事にとっては、再生可能バッテリーにより、原材料の供給、自動車リース、物流、リサイクルなど従来の広範な事業範囲がさらに拡大されることが期待される。

両社は、日本と米国で2010年後半までの稼働開始に向けた新たな合弁企業の枠組みを確立するために、その実行可能性を検討する。欧州では、日産がアライアンスのパートナーであるルノーと共同で4Rのビジネスモデルを模索する。

日産、住友商事の代表者からなるタスクフォースでは、新たな合弁会社の出資比率、設備投資、事業領域、その他合弁事業に関する事項の詳細についての最終的な協議を行っていくとしている。

《レスポンス編集部》

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