矢野経済研究所は7日、車載用半導体の世界市場の調査を実施し、その結果を「車載用半導体市場の可能性と将来分析2009-2010」にまとめた。
調査結果によると2009年の車載用半導体市場は、2008年後半からの世界的な新車販売の不振の影響を受けて減少傾向が続き、前年比13.2%減の151億ドルになる見通し。
2009年第1四半期の各デバイスメーカーの受注状況は前年同期比20 - 25%減に低迷。第2四半期からは自動車メーカーの在庫調整が一段落し、緩やかに需要は回復しつつある。しかし、今後の先行きについては不透明との見方が多く、本格的な回復基調に戻るのは先進国の新車販売台数が上向くのに先行し2010年後半になると予測する。
一方、2011年以降は環境や安全への規制対応から、車載用半導体市場は2ケタ成長が見込まれる。環境規制のためのガソリン車の低燃費化、ハイブリッド自動車、電気自動車の新型車の市場投入が相次ぐことからパワー半導体の需要は拡大するのは確実。ESC(横滑り防止装置)などの安全規制については、車両一台に搭載される半導体式センサの数量が増加する見通し。