トヨタ自動車の豊田章男社長は2日に行った日本記者クラブでの講演で、自動車産業は米フォードモーターの『T型』が登場して以来となる「100年に1度の変革を求められている」と強調した。
その背景として豊田社長は、エネルギーや地球環境からの自動車への制約を指摘、「今日の勝者も、乗り遅れると明日の敗者になる」と危機感を表明した。
1908年に発売されたフォードT型は、ベルトコンベア方式による生産技術の変革をもたらした。豊田社長は、それまで全米の移動・輸送手段であった1500万頭の馬は「20年でほぼすべてクルマに置き換わった」とのエピソードを紹介し、1500万頭の馬にならないためには「お客様のニーズをいち早く把握し、迅速に対応すること」と述べた。
変革の時代への対応としてトヨタは「われわれのメインストリームであるハイブリッド車(HV)をまず普及させることが使命」と語り、今年末に世界で発売するプラグインHVの展開計画などを紹介した。