ドイツのチューニングメーカー、Hohenesterスポーツ社は、旧型アウディ『A4』を改造したバイオガス燃料車、「HS650」で最高速トライアルを行い、364.6km/hのギネス世界記録を打ち立てた。
ゴミや汚水から精製するバイオガスはバイオ燃料のひとつで、CO2排出量が少なく環境に優しいメリットがある。日本でも神戸市などの自治体が、市バスや清掃車に導入。また、バイオガスはガソリンに比べて燃焼効率が高いという長所も備えている。
Hohenesterスポーツ社は、レーシングドライバーのJurgen Hohenester氏が設立。おもにアウディやフォルクスワーゲン、セアト、シュコダの各車のチューニングを担当している。
最高速チャレンジにあたって、Hohenesterスポーツ社は、旧型アウディA4(B7型)をバイオガスに対応させたHS650を開発。バイオガスの燃焼効率の高さを生かして、3.0リットルV6にツインターボを追加した。その結果、最大出力は驚異的な700psを獲得。Hohenesterスポーツ社によると、このエンジンは800psオーバーの性能を持つが、安全性を考慮して700psに抑えたという。
そして、国際的認証機関のTUV(テュフ)テインランドの立会いの下、ドイツのテストコースにおいて、HS650は364.6km/hのギネス新記録を樹立した。これはブガッティが持つ記録を、約20km/h上回るものだった。
TUVテインランドのBehrning氏は、「この世界記録は、バイオガスが有望な代替燃料ということを示すもの」とコメントしている。
Hohenesterスポーツ社は今後、ドイツ・ホッケンハイムで行われるチューナーグランプリで、HS650の高性能をアピールする計画だ。