イタリアのデザイン専門学校、IED(インスティチュート・ヨーロッパ・デザイン)は、トヨタの依頼を受けて製作した未来の『プリウス』10作品を公開した。
IEDは1966年にイタリア・ミラノに設立。卒業生は各方面で活躍中だ。現在、同校はイタリア国内のローマ、ミラノ、トリノ、ヴェネチアのみならず、スペインのマドリッド、バルセロナ、そしてブラジルのサンパウロで工業デザインを学ぶ学生を受け入れている。
また、IEDは企業の依頼を受けて、デザインスタディを製作する機会も多く、自動車業界からはBMWなどの有名メーカーが名を連ねる。欧州で開催されるモーターショーには、独自のデザインスタディを出品するケースも見受けられる。
今回公表された作品は、2007年にトリノ校に在籍していた学生が制作したもの。デザインのテーマは、「2010-2015年のプリウス」で、世界初の量産ハイブリッドカー、プリウスの未来形を提案している。
トヨタから出された条件は、「エモーショナルで技術的な先進性を感じさせるデザイン」ということ。26名の学生が、複数のチームに分かれ、個性的な10台を作り上げた。
10台は、最新プリウスと同じ「富士山シルエット」を思わせるものもあれば、クーペ風、ステーションワゴン風のものまで、さまざま。どの作品にも共通して言えるのは、燃費向上に寄与するエアロダイナミクスを徹底的に追求している点だろう。
また一部作品には、トヨタが2007年3月のジュネーブモーターショーで発表した『ハイブリッドX』との関連性を想像させるモデルもある。ハイブリッドXは、間もなく日本で販売が開始される3代目プリウスを示唆したコンセプトカーだった。それだけに、学生の作品のレベルの高さを感じさせる。
3代目の発売前に時期尚早なのは承知の上だが、4代目プリウスはどのような進化を遂げるのか、期待を膨らませてくれる10台といえそうだ。