アウディは3日、ジュネーブモーターショーで『TT』の最強グレード、「RS」を正式発表した。2.5リットル直5ターボ(340ps)を搭載。クーペとロードスターの2ボディが用意される。
TT-RSのハイライトは、アウディにとって約15年ぶりに復活する直列5気筒エンジンだ。新開発の直噴2.5リットル直5ターボの「TFSI」は、最大出力340ps、最大トルク45.9kgmを発生。最大トルクは1600-5300rpmの幅広い領域で発生するフラットな特性を持つ。また、「スポーツ」スイッチを押すと、アクセルレスポンスや排気音が変化する。
このエンジンは軽量コンパクトなのが特徴で、エンジン単体の長さは490mm、重量は183kg。アウディスペースフレーム構造の効果もあり、車重はクーペが1450kg、ロードスターが1510kgに抑えられた。トランスミッションは新開発の6速MT、駆動方式はフルタイム4WDの「クワトロ」だ。
TT-RSのパフォーマンスは刺激的。0-100km/h加速はクーペが4.6秒、ロードスターが4.8秒、最高速度は250km/h(リミッター作動)の実力だ。顧客の希望に応じて、リミッターの解除が可能で、この場合、最高速度は280km/hに到達する。
高性能でありながら、環境性能が高いのも魅力。最新の直噴コモンレールシステムは、120バールという高圧で燃料を噴射。燃焼効率を追求することで、欧州複合モード燃費10.9km/リットル(クーペ)、10.5km/リットル(ロードスター)という経済性を実現した。
足回りは車高が10mmダウンしたスポーツサスペンションを採用。ブレーキはローター径が前370mm、後ろ310mmの強化タイプで、アルミ製キャリパーには「RS」のロゴが入れられる。タイヤは245/45ZR18サイズを装着。ESPにはサーキット走行を想定して、解除スイッチが付く。オプションで「マグネティックライド」サスペンションが用意され、ダイナミック、コンフォートの2モードが選択できる。
外観は専用フロントバンパー&グリル、左右2本出しのマフラー、専用アルミホイールなどが識別ポイント。専用のリアスポイラーはダウンフォース獲得を狙った大型デザインとなる。室内はシルバーステッチ入りのレザー&アルカンターラのスポーツシートを採用。ブースト計やラップタイマーも装備する。ステアリングホイールやドアシルには、「TT RS」のロゴが添えられた。
TT-RSは、すでに欧州ではオーダー受付を開始。納車は今夏ごろスタートする予定だ。