スズキから発売された『スプラッシュ』は、スズキのハンガリー工場で生産されて日本に輸入されている。日本に導入するにあたり特別にチューニングされている部分はあるのだろうか。
スプラッシュのアシスタントチーフエンジニアを担当した鈴木正倫さんは「スプラッシュの日本仕様の最も大きな変更点はミッションです」。
「欧州では5MTや4ATを採用しているのに対して日本では市場の要望の高いCVTを組み合わせています。このパワートレインは『スイフト』の1.2リットルと共通のタイプで、それを日本から送りハンガリーで組み付けています。また、日本では標準的な装備となった後席パワーウィンドウや電動格納ドアミラー、プッシュ式カップホルダー、セキュリティアラームなどを追加しています」
「ただし、サスペンションのチューニングや専用開発されたタイヤなどは欧州仕様と共通ですので、走りに関しては欧州車のテイストを存分に味わっていただけます」とコメント。
グローバル化が進んだスズキとはいえ、低価格のコンパクトカーを欧州から逆輸入して、ここまでの仕様変更を加えることはコストの面でなかなか大変だっただろう。さらにスプラッシュには6個のエアバッグや後席に3名分の3点式シートベルトやヘッドレストを備えるなど、充実した安全装備も採用されている。
そう考えると、スプラッシュの価格設定は非常に健闘しているといえる。