東京のBMW Group Studioで8日、BMWザウバーF1チームのトークショーイベント「Lounge to Win'08 - Meets the BMW Sauber F1 Team -」が行われた。
タイセン博士は、08年型マシン「F1.08」の開発や、来季の「KERS(Kinetic Energy-Recovery System:運動エネルギー回収システム)」など技術的なことについて語った。
「トップの2チームに追いつくためには、今年は大きなステップが必要でした」と語るタイセン博士。昨年型の「F1.07」はやや保守的でしっかりと造ることにポイントが置かれたが、「F1.08は技術的なチャレンジを試みた」そうである。しかし、新型車発表を行ってすぐのテストでは、ポテンシャルを十分に引き出せていなかったという。
「冬のテストの間にマシンを速くするためにいろいろとやりまして、苦労もしましたが、さまざまなことを学ぶことができました。その結果、トップチームの一角を占められる性能があることがはっきりとわかりました」のだそうだ。
実際にシーズンインしてからは浮き沈みがあったというが、「残り3戦は最大限の努力をして、より良い結果を残したいと思います」と決意を語った。コンストラクターズ2位の可能性もある同チームである。
KERSは、一種のハイブリッドシステムだが、タイセン博士は「KERSに関しては、市販車のシステムをそのまま使うわけにはいかず、20 - 25%の小型軽量化を図らないとなりません。そこに技術的なチャレンジがあり、技術者にとっては非常にエキサイティングな開発のチャンスです。もちろん、ここで開発された技術は、市販車にもフィードバックされます」と、前向きなコメント。
経営・運営センスを持った技術者がトップにいることが、BMW躍進の大きな理由のひとつではないだろうか。