ホンダは7日、東京・青山の本社ビル1階「ウエルカムプラザ」において、F1日本グランプリ直前記者会見を実施した。目前に迫った母国レースへの決意と展望が、首脳陣&ドライバーの口から語られた。
「残念ながら、シーズン当初のマシン開発の遅れもあり、今季は良い成績を残せていません。たいへん悔しく思っています」
広報・モータースポーツ担当の大島裕志執行役員の苦渋の発言から会見は始まった。コンストラクターズランキングは現在9位を“独走中”で、下には5月初旬に撤退したスーパーアグリを含む2チームがいるだけ。雨がらみの3位が1回(イギリスGP、ルーベンス・バリチェロ)ある以外は、正直なところ、惨憺たる成績と評さざるを得ないのが今季のホンダ・レーシングF1チーム(HRF1)の状況だ。
中本修平デュピティ・マネージングディレクターも、「昨年のマシンは空力的に大きな問題を抱えてしまっていた。そこで今季に向けて空力開発チームを新しくしたのだが、結果的に開発のスタートが遅れてしまった」と、出遅れを悔やむ。「今はそれなりのレベルに来ていると思うが、まだ自分たちの力を100%発揮できないレースが続いている。富士では力を出し切って、成績にもつなげていきたい」。中本氏は期待を捨てず、母国レースに全力で臨む決意だ。
両ドライバーも中本氏同様の強い意志をもって日本GPに臨むが、どうやら“雨乞い”したいのが率直な思いのようだ。
HRF1の前身であるBARホンダの時代からチームに所属するジェンソン・バトンは、既にホンダ歴6年目。そのバトンが、「日本は僕のセカンドホームのような国だ。レースを楽しみにしているよ。昨年ほどの大雨はイヤだが、ある程度の雨が降った方が、ポイントは多く稼げると思う」と言えば、同僚バリチェロも「3位に入ったイギリスGPでのマシンバランスは良かった。富士も雨になることを期待したい気持ちがある。もちろん、昨年のような大雨でなくていいけどね」と、マシンの戦闘力の差が帳消しになる展開を望んでいるようだ。
もし雨となれば、観客にとっては厳しいコンディションとなってしまう可能性が高いが、それでもホンダ勢が母国で活躍してくれるなら、それもいい……?
F1世界選手権シリーズの今季第16戦、日本GPは富士スピードウェイで今月10 - 12日に開催される。