スパ・フランコルシャンで行われた伝統のベルギーGP。7日決勝レースは路面がところどころウェットという難しいコンディションのなか、幕を開けた。
4番手スタートだったキミ・ライコネン(フェラーリ)はオープニングラップのレ・コームでチームメイトのフェリペ・マッサを、ハーフスピンを喫していたルイス・ハミルトン(マクラーレン)もケメルストレートで追い詰め同じレ・コームで抜き去り、リードを奪う。
ドライ路面に変化するなか、トップを走るライコネンをハミルトンが数秒差で追いかけ、その少し後ろからマッサが追うという展開が続いた。
そして迎えた終盤の残り6周、ライコネン久々の勝利目前というタイミングで雨が降り出す。42周目の最終コーナーではライコネンにサイド・バイ・サイドで並んでショートカットしたハミルトンだったが、一度引いた後に1コーナー手前で際どくトップを奪う。
ライコネンも必死に追いすががり、再びトップに出たと思ったのも束の間、なんと痛恨のスピン。前年王者はウォールに激突してリタイアに終わった。
ハミルトンも濡れた路面でドライタイヤの走行を強いられ何度もコースオフしかけたが、何とかコース上に残って、そのままチェッカーフラッグを受けた。2位はマッサ。残り1周でレインタイヤに履き替えるギャンブルを決行したニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)がコース上で4台を抜いて3位に入った。
このようにチャンピオンシップ争いで貴重な勝利を重ねたはずのハミルトンだったが、レース後の審議によって最終コーナーでのショートカット直後にライコネンを再び追い抜いた行為の是非が問われ、25秒加算のペナルティが決定。
これによって正式なリザルトは、マッサ、ハイドフェルド、ハミルトンという順位になり、チャンピオンシップポイントもハミルトン76ポイント、マッサ74ポイントという接戦になった。
佐藤琢磨のF1復帰が囁かれるトロロッソはセバスチャン・ベッテルが5位、セバスチャン・ブルデーも7位とダブル入賞。トヨタのティモ・グロックは8位に入賞し、1ポイントを獲得している。ウィリアムズの中嶋一貴は1ストップ作戦で14位完走。ホンダ勢はジェンソン・バトン15位、ルーベンス・バリチェロはリタイアと、良いところがなかった。