アウディジャパンが2日に日本市場に発表したアウディ『TTSクーペ』。このクルマのユーザーの6割が、既存のアウディオーナーだろうと同社は読んでいる。『TT』はじめ、アウディからの乗り換え組が半分以上を占め、残りは輸入車および国産車から移ってくるという。
国産車ユーザーがTTSに乗り移る、その背景について同社商品企画部長の青木徹氏は、「国産メーカーが2ドアスポーツクーペを作らなくなっている」と語った。
「そういうクルマが好きな人というのは、行く先がなくなっているのでは、とも思える。今浮かぶのは、レクサス『SC』ぐらい。そんな2ドアスポーツクーペを愛する国産ユーザーに、ぜひTTSに乗ってもらいたい」
また、同社社長のドミニク氏は、TTシリーズの売れ行きについて、「コンパクトスポーツというセグメントは、通常、商品ライフサイクルによってかなり激しく売れ行きが上下する。発売当初は爆発的に売れてのちに収束してしまうパターンがほとんど。TTは日本で年間2800台から3000台を安定的に販売している」と息の長い人気を誇る。
「その理由のひとつは、ユーザーがTTをデザインアイコンとしてとらえ、時代とか流行に左右されないクルマとして愛されているからだ」
デザインコンシャスな初代に継ぐ2代目は、スポーツクーペとしての性能を高め、かつ環境に優しく燃費がいいクルマとして、セグメントトップをねらう。TTSの販売目標は、TTシリーズ全体のおよそ10%となる年間300台としている。