【D視点】ブオーノ、ブオーノ! フィアット500

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影響を与えた日本のアニメ文化

フィアット社は、経済と文化が密接な関係にある現代において、文化が企業の製品などを自由に利用することを許容してきたと、プライドを持って述べている。

確かにメルセデスベンツなどは、1950年代にモダンアートの先駆者であるアンディ・ウォーホールが版画作品に同社のクルマを描いたとき、商標の使用料をしっかり請求しているが、アニメのルパン三世に登場する初代500に対し、フィアットがロイヤリティを求めた話は聞いていない。

むしろフィアット社は21世紀の500のキャラクターとして、アニメのルパン三世に描かれた、自由を求めてジャンプし敏捷に走り回るイメージを、時代にふさわしいコンセプトとして利用している。さすがに自信をもって文化度の高さをアピールするお国柄だけあって、時代の空気にも敏感なようだ。

オフィシャル・プロモーションビデオには、「グリーンVSレッド」のカットがうまく使われており、日本のアニメ文化が最新のクルマを通して世界の人々の生活シーンに大きく影響を与える結果になったことは、21世紀の社会現象として見逃せない。

500は、日本のアニメ文化と企業とのユニークなコラボレーションによって、歴史上最初に創られた記念すべき文化的プロダクト作品となったのである。

D視点:
デザインの視点

筆者:荒川健(Ken ARAKAWA)---DESIGN FORCE Studio b:stile代表。多摩美術大学卒業。1975年三菱自動車入社、初代『ミラージュ』セダンや85年発表のふそう空力走行実験車『MT-90X』を担当(Cd=0.378、大型トラックでの世界記録を達成し15年間破られなかった)。88年マツダにヘッドハントされユーノス『500』、ユーノス『プレッソ』/オートザム『AZ-3』などのチーフデザイナーを歴任。1995年独立しDESIGN FORCEを主宰。パソコンテレビGyaO「久米宏のCAR TOUCH!」にレギュラー出演していた。早稲田大学理工学術院非常勤講師。
《荒川健》

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