アウディAGは、米国デトロイトモーターショー08で、ハイパフォーマンススポーツカーとして初めて12気筒ディーゼルエンジンを搭載したモデル、『アウディ R8 V12 TDI』コンセプトを発表した。
アウディ『R8』をベースとするこのコンセプトカーに搭載するのは、排気量6.0リットルのV12「TDI」エンジン。500ps、1000Nmのパワーを発揮、環境性能も備えたディーゼルエンジンとしている。
V12TDIエンジンは、ルマン24時間レースに参戦したアウディのプロトタイプ・レーシングカー「R10」に搭載されたエンジンに近いもの。他のアウディV型エンジンとの共通性を持ちながら、レーシングエンジン技術を盛り込んだロードゴーイング用エンジンだ。エンジン全長は684mmと、V8TDIエンジンと比べ166mm長いだけでコンパクトな設計。
R8には、コンパクトゆえ搭載することができ、2基のターボチャージャーにより、V12TDIは1750-3000rpmの広い領域で1000Nmのトルクを生み出し、0-100km/h加速は4.2秒、最高速度は300km/h。
また、環境性能でもアウディR8 V12 TDIコンセプトは、窒素酸化物(NOx)の緊急的削減が求められる2014年施行予定の欧州排出ガス規制の「ユーロ6」の基準を達成している。
システムは、酸化触媒、DPF(粒子状物質除去装置)、「アドブルー」と呼ばれる尿素水溶液のタンクで構成する。少量のアドブルーを排気システム中に噴射することで、水溶液が熱い排ガスにより分解されてアンモニアとなり、それがNOxを無害な窒素と水に分解する。